株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が他の相続人と株式を遺産共有する状態で当該会社の会計帳簿の閲覧謄写等を求めることの可否
東京高等裁判所決定/平成13年(ラ)第614号
平成13年9月3日
株主名簿閲覧謄写等仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件
【判示事項】 1 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が他の相続人と株式を遺産共有する状態で当該会社の会計帳簿の閲覧謄写等を求めることの可否
2 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人が株主の権利の確保もしくは行使に関する調査として当該会社の会計帳簿の閲覧謄写等を求めることができるとされた事例
【判決要旨】 1 株式会社の株式を共同相続した相続人の1人は、他の相続人との間で遺産分割協議が未了であるために株式をいわゆる遺産共有する状態にあるとしても、その法定相続分が過半数を超えるときは、共有物の管理に属する事項として、当該会社に対し、会計帳簿の閲覧謄写等を求めることができる。
2 株式を共同相続した相続人は、それまで当該会社の経営に直接関与することがなかったとしても、相続問題に適切に対応していくために当該会社の会計帳簿等によってその経営状態等を正確に把握しようとする目的には合理性があるから、商法293条ノ7第1項前段にいう株主の権利の確保もしくは行使に関する調査として、当該会社に対し、会計帳簿等の閲覧謄写等を求めることができる。
【参照条文】 商法293の6
商法293の7
【掲載誌】 金融・商事判例1136号22頁