根抵当権の対象とされる土地の登記簿上の地目が宅地であるが現況が道路であることを知って根抵当権設定 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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根抵当権の対象とされる土地の登記簿上の地目が宅地であるが現況が道路であることを知って根抵当権設定登記手続の委任を受け、債権者に損害を与えた司法書士の債務不履行責任

 

大阪高等裁判所判決/平成9年(ネ)第225号、平成9年(ネ)第2967号

平成9年12月12日

損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件

【判示事項】    根抵当権の対象とされる土地の登記簿上の地目が宅地であるが現況が道路であることを知って根抵当権設定登記手続の委任を受け、債権者に損害を与えた司法書士の債務不履行責任が認められた事例(過失相殺9割4分)

【参照条文】    民法415

          民法418

          民法644

          司法書士法1

          司法書士法1の2

          司法書士法2

          司法書士法11

【掲載誌】     判例タイムズ980号185頁

          判例時報1683号120頁

【解説】

 Xは、平成2年8月10日、Aに5000万円を貸し付け、Aの所有する本件土地に極度額を7500万円とする根抵当権設定契約を締結し、Aの指名した司法書士Yに右登記手続を委任した。

本件土地は登記簿上の地目が宅地とされているが、現況は道路であり、YはXが貸し付けた際、本件土地が固定資産税台帳上公衆用道路とされ、非課税となっていることを知っていた。

Aは期限を過ぎても貸金債務の返済をせず、本件土地に対する根抵当権を実行しても本件貸金の回収は不能な状態であった。

そこで、XはYに対し、不法行為及び委任契約の債務不履行を理由に5000万円の損害賠償を求める訴えを提起した。

 原審は、Yによる不法行為を理由にXの請求を一部認容した。

Yは控訴し、Xも附帯控訴に及んだ。

 本控訴審判決は、上記の事実関係を基に、YがXに本件土地の現況が道路であり、固定資産税課税台帳上公衆用道路とされ、非課税となっていることを教示しなかったことは委任の趣旨(民法644条)に反し、債務不履行であり、Xの被った損害との間に相当因果関係があるとし、他方、Xにも不動産担保による貸付業者でありながら、たやすく登記簿上の記載やAの説明を信じ、固定資産税評価証明書すら点検しなかったのは軽率であるとしたうえ、本件土地が道路であるにもかかわらず長らく取引の対象とされてきたことなど諸般の事情を総合し、YがXに損害賠償として支払うべき金額は300万円が相当であるとした(過失相殺の割合は9割4分となる)。

なお、原審が認定した不法行為(詐欺幇助)については、証拠が不十分であるとした。