給与所得者等再生の再生債務者が故意に再生債権者の1人につき再生手続開始の申立てをした事実を秘し債権者一覧表にその再生債権を記載しないで再生計画認可決定が確定した場合において再生債務者が当該再生債権につき民事再生法232条2項(平成16年改正前のもの)による権利変更の効力を主張することが信義則に反するとまではいえないとされた事例
高松高等裁判所判決/平成17年(ネ)第4号
平成17年9月28日
貸金請求控訴事件
【判示事項】 1 民事再生法232条2項(平成16年法律第76号による改正前のもの)の合憲性(合憲)
【判決要旨】 1 民事再生法232条2項(平成16年法律第76号による改正前のもの)は、同法の目的(1条)を達成するために、必要かつやむを得ないものであって、公共の福祉のため憲法上許された必要かつ合理的な財産権の制限を定めたものであるから、憲法29条に違反しない。
2 給与所得者等再生の再生債務者Yが故意に再生債権者Xにつき再生手続開始の申立てをした事実を秘し、債権者一覧表にその再生債権を記載しないで再生計画認可決定が確定した場合において、再生計画認可決定の効力についての民事再生法(平成16年法律第76号による改正前のもの)の各規定や、Xの有する債権が再生計画の一般的基準(一般条項)に従って変更されないとすると、無異議債権および評価済債権の再生債権者に対する再生計画に従った履行が困難になるおそれがあることに照らすと、Yが訴訟で同法232条2項による権利変更の効力を主張することが信義則に反するとまではいえない。
【参照条文】 憲法29-1
憲法29-2
民法1-2
平成16年法律第76号による改正前の民事再生法1
平成16年法律第76号による改正前の民事再生法156
平成16年法律第76号による改正前の民事再生法232-2
平成16年法律第76号による改正前の民事再生法232-3
平成16年法律第76号による改正前の民事再生法244
【掲載誌】 金融・商事判例1249号45頁