遺言公正証書の原本に公証人の署名捺印がなかったとした原審の認定判断に経験則違反又は採証法則違反の違法があるとされた事例
最高裁判所第1小法廷判決/平成13年(受)第398号
平成16年2月26日
公正証書遺言無効確認請求事件
【判示事項】 遺言公正証書の原本に公証人の署名捺印がなかったとした原審の認定判断に経験則違反又は採証法則違反の違法があるとされた事例
【判決要旨】 現時点においては公証人の署名押印がある遺言公正証書原本について,当該原本を利用して作成された謄本の作成方法についての公証人及び書記の証言等の内容に食違いがあることなどを理由として,上記謄本作成の時点において公証人の署名押印がなかったとした原審の認定判断には,上記謄本の作成方法についての公証人及び書記の証言等は,その細部に食違いがあるものの主要な部分で一致していること,原本の各葉上部欄外には公証人の印による契印がされているのに公証人の署名欄に署名押印がされていないとするのは不自然であること,公証人が原本作成と同じ日に作成して遺言者に交付した正本及び謄本には公証人の署名押印がされていることなど判示の事情の下では,特段の事情の存しない限り,経験則違反又は採証法則違反の違法がある。
【参照条文】 民法696-5
民事訴訟法247
公証人法39
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事213号581頁
裁判所時報1358号96頁
判例タイムズ1147号157頁
金融・商事判例1205号58頁
判例時報1853号90頁