大阪高等裁判所判決/平成30年(ネ)第1406号
【判決日付】 平成30年12月21日
未払賃金等支払請求控訴事件
【判示事項】 1 契約社員と正社員との間で,能力の開発と人材の育成,活用に資することを目的とする等級・役職制度の有無や,配転および出向の可能性などの点で相違があるものの,これらの相違は,皆勤手当の趣旨とは合理的な関連性がないとされた例
2 契約社員の時間給増減の評価のために,被控訴人(差戻前上告人・附帯被上告人,差戻前二審被控訴人兼控訴人,一審被告)Y社が設けていた運用基準に基づく時間給の増加が,契約社員である乗務員への皆勤手当不支給に対する合理的な代償措置と評価できるのであれば,皆勤手当の不支給の不合理性評価についての評価障害事実になるということができるとされた例
3 本件運用基準による時給の増額について,皆勤の評価が直ちに賃金に反映するのか不確実な制度であること,支給されたとしても皆勤手当と比べるとわずかの金額に過ぎないことから,契約社員である乗務員について,皆勤を奨励する趣旨で翌年の時給の増額がなされ得る部分があることをもって,皆勤手当を不支給とする合理的な代償措置と位置づけることはできないとされた例
4 皆勤手当の不支給について,労働契約法20条のいう不合理と認められるものに当たり,均衡待遇を要求する控訴人(差戻前上告審被上告人・附帯上告人,差戻前二審控訴人兼破産者甲野太郎破産管財人丙川花子訴訟承継人兼被控訴人,一審原告)Xの法的な利益を侵害するものとして不法行為になり得るとされた例
5 Y社は,労働契約法20条の施行時までには,同条の趣旨に合致するように,契約社員である乗務員Xの労働条件である諸手当について,正社員である乗務員の労働条件と均衡のとれた処遇とするように取り組むべき注意義務があったというべきであり,Y社が労働契約法20条の施行時までに何らかの形で上記取組みをしたことを認めるに足りる証拠はないから,Y社は,Xに対して皆勤手当を支給しないという違法な取扱いをしたことについて過失があったというべきであるとされた例
【掲載誌】 労働判例1198号32頁