給与所得者等再生事件における費用の予納決定について、不当・違法はないとして、抗告が棄却された事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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福岡高等裁判所那覇支部決定/平成13年(ラ)第15号

平成13年6月12日

費用の予納に関する決定に対する即時抗告事件

【判示事項】    給与所得者等再生事件における費用の予納決定について、不当・違法はないとして、抗告が棄却された事例

【参照条文】    民事再生法24-1

          民事再生法24-2

【掲載誌】     判例タイムズ1080号314頁

【解説】

 1 平成13年4月から施行されている個人再生(小規模個人再生及び給与所得者等再生)事件は、前年の4月に施行された通常の民事再生事件の特則であり、同事件と同様に、簡易で迅速な経済的再建のための手続として、国民の間に広く浸透し順調に利用されている。この個人再生事件の申立てについては、弁護士が代理人となるものが圧倒的に多いが、司法書士が手続書類を作成しての申立てや全くの本人自身による申立ても行われていると報告されている(「個人再生事件-法施行後半年間の申立の概況等」NBL727号19頁)。このように弁護士の関与しない申立てについては、弁護士を個人再生委員(民再223条)として選任する運用が全国的に定着しつつある。

 2 原決定は、司法書士が書類を作成しての給与所得者等再生の申立てに対して、弁護士を個人再生委員に選任することを運用の前提として、その報酬(27万円)及び官報公告(3万円)のための手続費用として30万円の予納を決定した(民再24条1項)。

 これに対して、抗告人(申立人)は、本人申立ての事件について個人再生委員を1律に選任することは法の趣旨に反する、選任する必要性に乏しい、報酬額を1律とすることは法の趣旨に反する、委員として弁護士に限定する必要がないから報酬額はより低額であるべきであるなどと主張して、即時抗告を行った(民再24条2項)。

 3 本件決定は、民事再生事件における予納金額の決定が裁判所の広範な裁量に任せられている旨を判示した上、原決定に裁量権の範囲を逸脱した不当・違法はなく、抗告人の前記主張はいずれも理由がないと判断した。