産業廃棄物処分場の周辺住民が,県知事に対し,生活環境の保全上支障が生じ,又は生じるおそれがあるとして,処分場の事業者に対し前記支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることの義務付けを求めた事案
福岡高等裁判所判決/平成20年(行コ)第11号
平成23年2月7日
『平成23年重要判例解説』行政法事件
措置命令処分等の義務付け請求控訴事件
【判示事項】 産業廃棄物処分場の周辺住民が,県知事に対し,生活環境の保全上支障が生じ,又は生じるおそれがあるとして,主位的に前記支障の除去等の措置を講ずべきことの義務付けを,予備的に処分場の事業者に対し前記支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることの義務付けを求めた事案につき,周辺住民である控訴人らの1部につき生命,健康に重大な損害を生ずるおそれがあると認めて,訴えを却下した原判決を取り消した上,予備的請求を認容した事例
【参照条文】 行政事件訴訟法37の2
廃棄物の処理及び清掃に関する法律19の8-1
廃棄物の処理及び清掃に関する法律19の5-1
【掲載誌】 判例タイムズ1385号135頁
判例時報2122号45頁
1 事案の概要
本件は,産業廃棄物処理場(以下「本件処分場」という。)の周辺地域に居住する原告ら13名が,本件処分場においては廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)所定の産業廃棄物処理基準に適合しない産業廃棄物の処分が行われており,その結果,原告らの生活環境の保全上の支障が生じ,又は生ずるおそれがあると主張して,県知事に対し,主位的には,廃棄物処理法19条の8第1項に基づき,県知事が前記支障の除去等の措置を講ずべきこと(以下「本件代執行」という。)の義務付けを求め,予備的には,廃棄物処理法19条の5第1項に基づき,県知事が本件処分場の事業者に対して前記支障の除去等の措置を講ずべきこと(以下「本件措置命令」という。なお,以下,本件代執行及び本件措置命令とを併せて「本件各処分」という。)を命ずることの義務付けを求めるという,非申請型の義務付け訴訟の事案である。