公正証書の作成手続上の瑕疵と公正証書原本不実記載罪の成否 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第1小法廷決定/昭和36年(あ)第2104号

昭和37年3月1日

公正証書原本不実記載関税法違反物品税法違反被告事件

【判示事項】    公正証書の作成手続上の瑕疵と公正証書原本不実記載罪の成否

【判決要旨】    公証人に対し虚偽の申立をなし、公証人をして公正証書の原本に不実の記載をさせた場合において、嘱託人の一方が日本語を解しないのにかかわらず、公証人が公正証書を作成するに当り通事を立ち会わせず、通事をして証書の趣旨を右嘱託人に通訳させなかった等その作成手続上の瑕疵があったとしても、当該公正証書が一般人をしてその内容を真正なものと誤信させるに足ると認められるときは、公正証書原本不実記載罪が成立する。

【参照条文】    刑法157-1

          公証人法29

          公証人法30

          公証人法39-1

          公証人法39-2

          公証人法39-3

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集16巻3号247頁

          最高裁判所裁判集刑事141号381頁