医師がみずから診察しないで診断書を交付するということの意義 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

広島高等裁判所判決/昭和27年(う)第43号
昭和27年5月17日
医師法違反被告事件
【判示事項】    1、公職選挙法施行令第52条第1項第3号所定の医師の証明書の性質
2、医師がみずから診察しないで診断書を交付するということの意義
【判決要旨】    1、医師が他人の健康状態に関し、診察の結果にもとづいて意見判断を記載して作成した証明文書はすべて診断書であって、公職選挙法施行令第52条第1項第3号にいう証明書も、その必要的記載事項は一般の診断書に比して簡単ではあるが、等しく人の健康状態に関する意見判断を記載するのであるから、名称は証明書となっていても実質は医師法にいう診断書である。
2、医師がみずから診察しないで診断書を交付したといい得るためには、当人をいまだかって診察したことのない場合は勿論のこと、前に診察したことはあるが、すでに相当の日時を経過していて、当時の健康状態から推してはその判断は正確を期し得ないと考えられるにかかわらず、これに対する診断書を交付した場合も含まれるものと解すべきである。従って、診断書交付の当日診察した事実がないとしても、その前の診察の結果を医学的知識経験に照らしこれから推して変化の予想されない場合は、その都度診察しなくても、前の診察の結果にもとづいて診断書を交付したとしても違法ではない。
【参照条文】    公職選挙法49
          公職選挙法施行令49-50
          公職選挙法施行令52-1
          医師法20
          医師法33
【掲載誌】     高等裁判所刑事判例集5巻8号1199頁