内国法人が米国法人との間で締結した、同米国法人等主催の各種スポーツ競技のテレビ放映権の取得に係る | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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内国法人が米国法人との間で締結した、同米国法人等主催の各種スポーツ競技のテレビ放映権の取得に係る契約に基づき、前記米国法人に支払われた金員が国内源泉所得に当たるとしてした源泉所得税の納税告知が、違法とされた事例

 

東京高等裁判所判決/平成6年(行コ)第69号

平成9年9月25日

【判示事項】    内国法人が米国法人との間で締結した、同米国法人等主催の各種スポーツ競技のテレビ放映権の取得に係る契約に基づき、前記米国法人に支払われた金員が国内源泉所得に当たるとしてした源泉所得税の納税告知が、違法とされた事例

【判決要旨】    (1) 源泉徴収による所得税については、源泉徴収をすべきものとされている所得の支払の時にその納税義務が成立すると同時に納付すべき税額も確定するものとされており(国税通則法15条2項2号、同条3項2号)、その法定納期限は右所得支払の日(所得税を徴収すべき日)の属する月の翌月10日とされている(所得税法204条1項)。そうすると、源泉徴収に係る所得税の納税申告処分は、少なくとも支払月あるいは法定納期限ごとに別個に行われる処分であり、また、これに関する不納付加算税賦課決定処分も、法定納期限ごとに個別に行われる処分と解すべきである。

          (2)~(4) 省略

          (5) 著作権法2条3項は、「『映画の著作物』には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含む」と規定しているが、この要件に当たるためには、①映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現されているか、②物に固定されているか、③内容的に著作物といえるか(著作権法2条1項1号参照)が問題となる。

          (6) 主催団体から影像の提供を受け、これにより日本でテレビ放映する権利の取得に係るものについても、その影像が送信と同時に録画されている場合には、固定性の要件を満たすと認められ、ホスト・ブロードキャスターは影像の送信と同時にビデオテープ等に収録しているのが通常であると認められるから、本件における生放送のための影像も固定性の要件を満たすと認められる。

          (7) 知的創作性の要件については、本件におけるようなテレビ放映用のスポーツイベントの競技内容の影像は、競技そのものを漫然と撮影したものではなく、スポーツ競技の影像を効果的に表現するために、カメラワークの工夫、モンタージュやカット等の手法、フィルム編集等の何らかの知的な活動が行われ、創作性がそこに加味されているということができるから、本件における国際映像は知的創作性の要件を満たすと認められ、この点は、ホスト・ブロードキャスターの各カメラが撮影した影像を受け取る場合であっても、カメラワーク等の工夫があることに変わりはないから、同様と認められる。

          (8) 省略

          (9) 所得税法161条7号(国内源泉所得)の適用に関し、スポーツイベントの主催団体の提供する影像やビデオテープに、独自影像や日本語のアナウンス、解説等を加えて日本でテレビ放送することの許諾は、改作利用権の行使である改作利用の許諾(著作権法27号)及びその放送の許諾(同法2八条)であると認められ(この点は米国著作権法上も同様であると解される(米国著作権法106条(2))。)、本件におけるスポーツ競技を収録したビデビオテープ及び生放送のための影像はいずれも「映画の著作物」に当たるから、放映権料としての支払のうち右改作利用の許諾及びその放送の許諾に対応する部分も、所得税法161条7号ロに規定する著作権等の使用料及び日米租税条約14条(3)(a)に定める著作権等の使用の対価に該当すると解すべきである。

          (10) (11) 省略

【参照条文】    消費税法(昭62法96号改正前)161

          著作権法2

          著作権法10-1

          著作権法27

          著作権法28

【掲載誌】     行政事件裁判例集48巻9号661頁

          訟務月報45巻1号197頁

          判例タイムズ994号147頁

          判例時報1631号118頁

          税務訴訟資料228号675頁