最高裁判所第2小法廷判決/昭和61年(行ツ)第90号
昭和63年7月1日
【判示事項】 時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させて出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあっせんするいわゆる実子あっせんを行い、医師法違反等により罰金刑に処せられたことを理由としてされた医師に対する6か月の医業停止処分が、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえないとされた事例
【判決要旨】 産婦人科医院を開設している医師が、時期を逸しながら人工妊娠中絶の施術を求める女性にこれを断念させる方法として、当該女性に出産させた新生児を内容虚偽の出生証明書を発行してその養育を希望する者にあっせんするいわゆる実子あっせんを始め、20年間にわたり、産婦人科医師の団体等の批判、中止勧告をも無視して約220件これを行い、そのうちの1例について医師法違反等により罰金20万円の刑に処せられたなどの判示の事実関係のもとでは、右罰金刑を受けたことを理由として右医師に対してされた6か月の医業停止処分は、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとはいえない。
【参照条文】 医師法4
医師法7-2
行政事件訴訟法30
【掲載誌】 訟務月報35巻3号512頁
最高裁判所裁判集民事154号261頁
判例タイムズ723号201頁