柔道整復師専科教員資格確認等請求,損害賠償請求控訴事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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東京高等裁判所判決/平成17年(行コ)第130号

平成17年11月29日

柔道整復師専科教員資格確認等請求,損害賠償請求控訴事件

【判示事項】    柔道整復師である者が,平成元年文部省・厚生省令第5号による改正前の柔道整復師学校養成施設指定規則別表第三に規定する厚生大臣の指定した講習会の全課程を修了したことによって,柔道整復師法12条の規定に基づく学校又は柔道整復師養成施設の教員(専科教員)の資格を取得し,昭和63年法律第72号による柔道整復師法の改正及び前記規則の改正後も前記教員の資格を有しているとして,前記教員の資格を有することの確認を求めた訴えが,不適法とされた事例

【判決要旨】    柔道整復師である者が,平成元年文部省・厚生省令第5号による改正前の柔道整復師学校養成施設指定規則別表第三に規定する厚生大臣の指定した講習会の全課程を修了したことによって,柔道整復師法12条の規定に基づく学校又は柔道整復師養成施設の教員(専科教員)の資格を取得したが,昭和63年法律第72号による柔道整復師法の改正及び前記規則の改正に基づいて発出された厚生省健康政策局長の「柔道整復師養成施設指導要領について」と題する通知が前記教員の資格を一方的にはく奪し,違法な経過措置を定めるものであるとして,前記教員の資格を有することの確認を求めた訴えにつき,同法及び前記規則等は,当該学校又は柔道整復師養成施設に要求されるべき諸基準を定めたものであり,その基準の一つとして教員の要件を定めたものにすぎず,同法及び関係法令の規定が存在することによって,所定の「講習会」又は「教員講習会」を終了した柔道整復師に対して何らかの法的資格ないし法的地位が付与され,あるいは法的権利ないし法的に保護された利益が与えられたり,国との間に一定の法律関係が発生するものではないから法律上の争訟に該当しないとして,前記訴えを不適法とした事例

【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載