建築基準法及び都市計画法に違反する建築物に電力を供給しようとして一般電気事業者が行った電灯供給工事を威力を用いて妨害した事案について,当該電灯供給工事は威力業務妨害罪において法的に保護されるべき業務であると判断された事例
東京高等裁判所判決/平成29年(う)第692号
平成29年9月13日
威力業務妨害被告事件
【判示事項】 建築基準法及び都市計画法に違反する建築物に電力を供給しようとして一般電気事業者が行った電灯供給工事を威力を用いて妨害した事案について,当該電灯供給工事は威力業務妨害罪において法的に保護されるべき業務であると判断された事例
【判決要旨】 そもそも,電気事業法は,一般電気事業者に対し,正当な理由なく,電気の供給を拒むことを禁止しているところ,同法と建築基準法及び都市計画法とは立法の趣旨・目的を異にするものであるから,後2者に違反するからといって,電気事業法上,電気供給契約の申込みを拒絶できる同法18条1項(現17条1項)の「正当な理由」に直ちに該当すると解するのは適切ではなく,電力を供給しようとした建物が建築基準法及び都市計画法上の許可を得ていない建築物であるからといって,当該建築物に電力を供給しようとしてA電力B支社が行った本件電灯供給工事が違法になるものではない。本件電灯供給工事は,少なくとも威力を用い,その遂行を妨害する行為から,法的に保護されるべき「業務」であるとした原判決の評価は正当として是認できる。
【参照条文】 刑法234
刑法233
電気事業法18-1(現17-1)
【掲載誌】 高等裁判所刑事裁判速報集平成29年162頁