オリンパス事件(株主の会社に対する損害賠償請求) | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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大阪高等裁判所判決/平成27年(ネ)第2577号

平成28年6月29日

オリンパス事件(株主の会社に対する損害賠償請求)

損害賠償請求控訴事件

【判示事項】    株式会社が財務局長に提出して公衆の縦覧に供された有価証券報告書および四半期報告書に虚偽記載があったことを理由とする株主の会社に対する損害賠償請求を一部認容した第1審判決が控訴審において附帯請求の起算日を不法行為の日に遡って拡張した部分を含め是認された事例

【判決要旨】    株式会社が財務局長に提出して公衆の縦覧に供された有価証券報告書および四半期報告書に虚偽記載があったことを理由とする株主の会社に対する損害賠償請求を一部認容した第1審判決は、原判示および本判示の事実関係の下においては、附帯請求の起算日を不法行為の日に遡って拡張した部分を含め、これを是認することができる。

【参照条文】    民法709

          民法715

          会社法350

          金融商品取引法(平成26年法律第44号による改正前のもの)21の2

          証券取引法(平成18年法律第65号による「金融商品取引法」へ改題する前のもの)21の2

【掲載誌】     金融・商事判例1499号20頁

1 事案の概要

 本判決は、原判決である第1審の大阪地判平成27・7・21金判1476号16頁に対する控訴審の判決である。

 Y(オリンパス株式会社。旧商号・オリンパス光学工業株式会社、第1審の甲事件・乙事件被告)の株式を取得したX1~X5(個人5名。なお、当事者の表示中の番号は、1~2番が欠番のため、順次、2番ずつ繰り下がっている。以下同じ)、X6~X7(法人2社)、X8~X9(個人2名。以上、第1審の甲事件原告)およびX10~X11(個人2名。以上、第1審の乙事件原告)が、Yにおいて提出し、公衆の縦覧に供された平成13年3月期~平成24年3月期第1四半期に係る各有価証券報告書および四半期報告書である「本件有価証券報告書等」に、連結純資産額に係る約500億円~約1,200億円を嵩上げする等の「本件虚偽記載」があったことにより損害を被ったと主張して、民法709条または一部のXについては平成26年法律第44号による改正前の金融商品取引法(平成18年法律第65号による改題前の証券取引法)、本判決にいう「金商法」21条の2による損害賠償請求権に基づき、その被ったという損害賠償を求める事案である。なお、第1審から、Z1・Z2(個人2名)がYに補助参加している。

 原判決は、Yらの不法行為責任を肯定し、その算定に係る損害の限度で、Xらの請求を一部認容した。

 同判決に対し、XらおよびYの双方から控訴が提起されたが、本判決は、原判決と同様に、Yの不法行為責任を認め、Xらの控訴に基づき、控訴審で附帯請求が拡張された部分を含め、原判決を変更して、Xらの請求を一部認容し、Yの控訴を棄却した。