鹿児島市中央卸売市場魚類市場水産物部売買参加者承認申請に係る非承認処分取消請求事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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鹿児島地方裁判所判決/平成8年(行ウ)第1号

平成9年6月20日

鹿児島市中央卸売市場魚類市場水産物部売買参加者承認申請に係る非承認処分取消請求事件

【判示事項】    中央卸売市場魚類市場水産物部売買参加者承認申請を非承認とした処分が裁量権の範囲を逸脱して違法であるとして取り消された事例

【参照条文】    行政事件訴訟法30

          卸売市場法36-1

          鹿児島市中央卸売市場業務条例28-4

          鹿児島市中央卸売市場業務条例施行規則29-3

【掲載誌】     行政事件裁判例集48巻5~6号472頁

          判例タイムズ970号121頁

          判例時報1657号57頁

 Xは、平成7年7月7日、Y市長に対し、Y市中央卸売市場魚類市場水産物部に売買参加者としての承認申請をしたが、Yは、同年8月24日付けでXが鹿児島市中央卸売市場業務条例28条4項2号の定める「卸売の相手方として必要な信用」を有しない者に当たるとして非承認とする処分をした。

なお、Yは、Xが同条例同条項所定の非承認事由に該当しないとしても、Yの処分は、同条例施行規則29条3項による裁量権の行使として適法であると主張した。

Xは、右処分は裁量権を逸脱した違法なものであると主張し、その取消しを求めて出訴した。

 本判決は、同中央卸売市場の概要、Xら積送業者の実態及びこれに対する特別入場許可の経緯、売買参加者承認要領の改正経過、Xらと市場関係者らとの交渉の経緯、Xの取引歴等について詳細な事実認定をしたうえ、卸売市場法及び市場業務条例は、買い手にすぎない売買参加者に対して特段の規制を及ぼす趣旨ではなく、同条例28条4項各号の非承認事由に該当しないにもかかわらず、売買参加者の承認をしないといういわゆる効果裁量は認められず、ただ、同条項2号の「卸売の相手方として必要な知識及び経験又は資力信用を有しない者」の意味内容が一義的に明らかでないからYには右要件該当性の判断についていわゆる要件裁量が認められるが、中央卸売市場における大量の取引の適正、確実迅速な処理の確保という観点からの非承認事由というべきであり、右裁量権は、この観点からのみ行使することが許されると述べた。

そしてXの取引実績等からXが資力信用を有しないということはできず、Yの処分は裁量権の範囲を逸脱した違法なものであると認め、これを取り消した。

 卸売市場法36条1項は、卸売業者による差別的取扱いを禁止した規定であり、同項中において売買参加者につき括弧書で「中央卸売市場において卸売業者から卸売を受けることにつき市場及び取扱品目ごとに業務規定で定めるところにより開設者の承認を受けた者をいう。

以下同じ」と定められている。

その承認に当たっては、市場のキャパシティー等による制約があるほか、同法の制定趣旨に照らして判断すべきところであるが、承認の適否に関する裁判例は乏しく、本判決は貴重な先例として参考になるものである。