信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例
最高裁判所第2小法廷判決/平成21年(受)第131号
平成23年4月22日
損害賠償請求事件
【判示事項】 信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が,遅くとも同種の集団訴訟が提起された時点から進行するとされた事例
【判決要旨】 信用協同組合が自らの経営破綻の危険を説明すべき義務に違反して出資の勧誘をしたことを理由とする出資者の信用協同組合に対する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は、経営破綻の直後に、上記出資者が上記勧誘に応じて出資をした結果損害を被った事実を認識していたことに加え、次の(1)~(3)など判示の事実関係のもとにおいては、上記出資者が上記勧誘当時の信用協同組合の代表者の経営破綻の危険性についての具体的認識に関する証拠となる資料を得ていなかったとしても、遅くとも上記出資者と同様の立場にある者らにより信用協同組合に対する集団訴訟が提起された時点から進行する。
(1) 上記出資者が出資をしてから信用協同組合が経営破綻に至るまでの期間は9カ月に満たなかった。
(2) 経営破綻の3カ月後までには、信用協同組合が経営破綻の前年に実施された監督官庁の検査で既に債務超過と見込まれていたなどの事情が明らかにされた。
(3) 上記出資者と同様の立場にある者らにより、経営破綻の約半年後から信用協同組合に対する損害賠償請求訴訟が逐次提起され、経営破綻の約1年後までには集団訴訟も提起された。
【参照条文】 民法724
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事236号443頁
裁判所時報1530号117頁
判例タイムズ1348号97頁
金融・商事判例1371号32頁
判例時報2116号61頁
金融法務事情1928号114頁