前・大阪市長が市職員に対して行ったアンケートは,思想・良心の自由等を侵害する違憲・違法なものであり,業務命令をもって回答を命じたのは国家賠償法上違法であるとして,職員とOBが市に対し慰謝料を求めた事案
大阪高等裁判所判決/平成27年(ネ)第1608号、平成27年(ネ)第2427号
平成28年3月25日
損害賠償請求控訴,同附帯控訴事件
【判示事項】 前・大阪市長が市職員に対して行ったアンケートは,思想・良心の自由等を侵害する違憲・違法なものであり,業務命令をもって回答を命じたのは国賠法上違法であるとして,職員とOBが市に対し慰謝料を求めた事案。
原審が1人6000円の慰謝料を認め,大阪市が控訴した。
控訴審は,本件アンケートの中には,労働基本権を侵害し,プライバシー権を侵害する設問があると認め,市長は本件業務命令により職員の権利を侵害することの無いよう確認すべき注意義務があったのに,これを怠ったと認めた上で,本件調査チームによる調査の経過,アンケート自体の必要性や違法と認められる質問の数などから,原審を一部変更し,慰謝料と弁護士費用を併せ各5000円の損害賠償を認めた事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載