金融機関が弁護士法23条の2に基づく照会または裁判所による調査嘱託に対する報告を拒否したとしても同照会または調査嘱託を申し出た者は金融機関に対して不法行為に基づき損害賠償を請求することができないとされた事例
大阪高等裁判所判決/平成18年(ネ)第779号
平成19年1月30日
損害賠償請求控訴事件
【判示事項】 金融機関が弁護士法23条の2に基づく照会または裁判所による調査嘱託に対する報告を拒否したとしても同照会または調査嘱託を申し出た者は金融機関に対して不法行為に基づき損害賠償を請求することができないとされた事例
【判決要旨】 1 弁護士法23条の2に基づく照会や民事訴訟法186条に基づく調査嘱託を受けた者は、弁護士会または裁判所に対し、報告を求められた事項につき報告すべき公的な義務を負う。
2 銀行が預金顧客を特定する情報につき報告を求められた場合であっても、上記義務が個人のプライバシー保護や守秘義務の観点から制約を受けることはない。
3 銀行による上記義務の違反は、弁護士会や裁判所に対する公的な義務の違反であり、原則的には、訴訟遂行等のため当該情報を必要とする者との関係で不法行為を構成しない。
【参照条文】 弁護士法23
民事訴訟法186
民法709
【掲載誌】 金融・商事判例1263号25頁
判例時報1962号78頁
金融法務事情1799号56頁