国税の納税者から申告の委任を受けた税理士が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無
最高裁判所第2小法廷判決/平成14年(行ヒ)第103号
平成17年1月17日
過少申告加算税賦課処分取消等請求事件
【判示事項】 1 国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い納税者が税額の全部又は一部を免れた場合における国税通則法70条5項の適用の有無
2 税理士に所得税の申告を委任した納税者が脱税を意図しその意図に基づいて行動したとは認められないとした認定に経験則違反の違法があるとされた事例
【判決要旨】 1 国税通則法70条5項は,国税の納税者から申告の委任を受けた者が偽りその他不正の行為を行い,これにより納税者が税額の全部又は一部を免れた場合にも適用される。
2 納税者が,土地の譲渡所得を得た年分の所得税の申告を委任した税理士から,委任に先立ち,実際に出費していない土地の買手の紹介料等が経費として記載されたメモを示され,多額の税額を減少させて得をすることができる旨の説明を受けた上で,同税理士に上記の申告を委任したものであり,同税理士が架空経費の計上などの違法な手段により税額を減少させようと企図していることを了知していたとみることができるなど判示の事情の下においては,税理士に申告を委任する者は法律に違反しない方法と範囲で必要最小限の税負担となるように節税することを期待して委任するのが一般的であることなどを理由として,上記納税者が脱税を意図し,その意図に基づいて行動したとは認められないとした原審の認定には,経験則に違反する違法がある。
(2につき補足意見がある。)
【参照条文】 国税通則法70-5
国税通則法68-1
民事訴訟法247
税理士法1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集59巻1号28頁