知的障害者である原告らが,勤務していた会社の経営者である被告Aから暴力行為等を受けたこと,適正な賃金が支払われないなどの劣悪な労働条件等の下で労働を強いられたこと,障害基礎年金を横領されたこと等につき,被告Aのこれらの行為が不法行為等にあたるとして,被告Aに対し損害賠償を請求するとともに,知的障害者更生施設や福祉事務所等には必要な調査等を行わなかった違法があると主張して被告滋賀県に対し,また,労働基準監督署や公共職業安定所にも必要な指導等を行わなかった違法があると主張して被告国に対し,それぞれ損害賠償を請求した事案である。
原告らが責任追及の対象とした機関等は,被告滋賀県については,知的障害者更生施設,身体障害者更生施設,福祉事務所,滋賀県障害福祉課及び滋賀県広報課であり,被告国については,労働基準監督署及び公共職業安定所である。
大津地方裁判所判決/平成8年(ワ)第631号、平成9年(ワ)第453号
平成15年3月24日
損害賠償請求事件
【判示事項】 1 知的障害者更生施設を退所して民間の会社に就職した障害者の1部について,当該施設がその就労状況等を確認しなかったことが違法なものであったとして,障害者の県に対する損害賠償請求が認容された事例
2 知的障害者を雇用する会社に最低賃金法違反等があったことについて,労働基準監督署が監督行為等を行わなかったことが違法なものであったとして,障害者の国に対する損害賠償請求が認容された事例
3 知的障害者に対して職場適応訓練等のあっせんを行った公共職業安定所が,訓練終了後に指導等を行わなかったことが違法なものであったとして,障害者の国に対する損害賠償請求が認容された事例
【参照条文】 国家賠償法1-1
知的障害者福祉法21の6
労働基準法1
労働基準法13
労働基準法37
労働基準法97-1
労働基準法99
労働基準法101
労働基準法102
労働基準法103
最低賃金法5
職業安定法1
職業安定法8
職業安定法22
職業安定法施行規則17
障害者の雇用の促進等に関する法律1
障害者の雇用の促進等に関する法律2
障害者の雇用の促進等に関する法律3の2
障害者の雇用の促進等に関する法律3の4
障害者の雇用の促進等に関する法律5
障害者の雇用の促進等に関する法律6
障害者の雇用の促進等に関する法律8の2
障害者の雇用の促進等に関する法律8の3
【掲載誌】 判例タイムズ1169号179頁