労働者に対し,労働基準法24条1項本文の規定する全額払いの要件を満たしていないものであっても,最低賃金額を超える賃金の支払いを提示している場合には,最低賃金法違反は成立しないとした事例
東京高等裁判所判決/平成24年(う)第2058号
平成25年3月7日
最低賃金法違反被告事件
【判示事項】 労働者に対し,労働基準法24条1項本文の規定する全額払いの要件を満たしていないものであっても,最低賃金額を超える賃金の支払いを提示している場合には,最低賃金法違反は成立しないとした事例
【判決要旨】 労働基準法所定の給与全額の支払いはしないが,最低賃金額以上の賃金は支払う意思があり,かつ同賃金の支払いの準備もしている使用者に対して,労働者が,提示された額が賃金全額に満たないことを理由に賃金全ての受領を拒絶する場合に,労働基準法違反だけでなく,より重い罰則を定める最低賃金法違反も成立するというのは不合理である。
【参照条文】 最低賃金法4-1
最低賃金法40
労働基準法24-1
労働基準法120
民法493本文
刑事訴訟法382
【掲載誌】 高等裁判所刑事裁判速報集平成25年52頁