破産管財人が破産財団に属する財産を換価した場合の譲渡益等に対する予納法人税、予納事業税及び破産法人に対する住民税の各債権が破産法47条2号但書の財団債権に当たるか
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷判決/昭和59年(行ツ)第333号
昭和62年4月21日
『昭和62年重要判例解説』民事訴訟法事件
財団債務不存在確認請求事件
【判示事項】 一、破産法人に対する予納法人税の債権のうち各事業年度の所得に係る部分と破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権
二、破産法人に対する予納法人税の債権のうち租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)63条1項の規定による土地重課税に係る部分と破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権
三、破産法人に対する住民税の債権と破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権
四、破産法人に対する予納事業税の債権と破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権
【判決要旨】 一、破産法人に対する予納法人税の債権のうち、各事業年度の所得に係る部分は、破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たらない。
二、破産法人に対する予納法人税の債権のうち、租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)63条1項の規定による土地重課税に係る部分は、課税の対象となる譲渡利益金額の中に別除権の目的となっている土地等の譲渡によるものが含まれ、かつ、当該土地等の譲渡による収益の額から譲渡に際し支出された譲渡経費(換価費用)の額及び別除権者に対する優先弁済額を控除した残額がその譲渡による譲渡利益金額に満たない場合には、当該課税の対象たる譲渡利益金額の合計額からその満たない金額に相当する額を控除した金額を基礎に計算される土地重課税の額に相当する部分のみが破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たり、その余の部分は右請求権に当たらず、右以外の場合にはその全部が右請求権に当たる。
三、破産法人に対する住民税の均等割の債権は破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たり、また、破産法人に対する住民税の法人税割の債権のうち、当該法人に対する予納法人税の債権で右請求権に該当する部分に対応する部分は右請求権に当たり、その余の部分は右請求権に当たらない。
四、破産法人に対する予納事業税の債権は、破産法47条2号但書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たらない。
【参照条文】 破産法47
法人税法102-1
法人税法105
租税特別措置法(昭和57年法律第8号による改正前のもの)63-1
地方税法53-2
地方税法321の8-2
地方税法72の29-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集41巻3号329頁