国立大学医学部の教官が、学生自治会のストライキ決議に従い試験を受けなかつた学生のうち、他の学生らの右試験の受験に対する妨害等につき謝罪文を提出した者に対してのみ再試験の受験の許可を与え、謝罪文を提出しなかつた者に対しては右許可を与えなかつたことが、担当教官の教育的見地からする裁量の範囲内の教育上の措置として適法とされた事例
最高裁判所第1小法廷判決昭和59年11月1日
金沢大学再試験拒否事件
『昭和59年重要判例解説』行政法事件
損害賠償請求上告事件
【判示事項】 国立大学医学部の教官が、学生自治会のストライキ決議に従い試験を受けなかつた学生のうち、他の学生らの右試験の受験に対する妨害等につき謝罪文を提出した者に対してのみ再試験の受験の許可を与え、謝罪文を提出しなかつた者に対しては右許可を与えなかつたことが、担当教官の教育的見地からする裁量の範囲内の教育上の措置として適法とされた事例
【判決要旨】 国立大学の医学部の科目の試験について、受験を申請したのち正当な事由なくして試験期日に欠席した学生は、同一学年中その科目の試験を受けることができず、特別の事情のあるときに限り、教授会ないし科目担当教官から再試験の受験を許可されることがあるものと学則等により定められていたなど原判示の事実関係のもとにおいて、同大学の法医学の担当教官が同科目の試験を受けず、かつ、他の学生らの受験の妨害等をした学生のうち、右妨害等につき謝罪文を提出しなかつた者に対して再試験の受験の許可を与えなかつたことは、右担当教官の裁量の範囲内の教育上の措置であつて、不当な差別ないし懲戒処分又はこれに準ずるものにあたるとはいえない。
【参照条文】 民法715
国家賠償法1
【掲載誌】 訟務月報31巻7号1539頁
最高裁判所裁判集民事143号111頁