契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められた事例 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

最高裁判所第3小法廷判決昭和59年9月18日

『昭和59年重要判例解説』民法事件

損害賠償請求事件

【判示事項】 契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められた事例

【判決要旨】 マンションの購入希望者において、その売却予定者と売買交渉に入り、その交渉過程で歯科医院とするためのスペースについて注文を出したり、レイアウト図を交付するなどしたうえ、電気容量の不足を指摘し、売却予定者が容量増加のための設計変更および施工をすることを容認しながら、交渉開始6か月後に自らの都合により契約を結ぶに至らなかったなど原判示のような事情があるときは、購入希望者は、当該契約の準備段階における信義則上の注意義務に違反したものとして、売却予定者が右設計変更および施工をしたために被った損害を賠償する責任を負う。

【参照条文】 民法1-2

       民法415

       民法3編2章1節1款

【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事142号311頁

       判例タイムズ542号200頁