先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押えまたは仮差押えの執行をし | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押えまたは仮差押えの執行をした後に先取特権者が右債権に対し物上代位権を行使することの可否

 

最高裁判所第2小法廷判決昭和60年7月19日

『昭和60年重要判例解説』民法事件

配当異議事件

【判示事項】 1、先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押えまたは仮差押えの執行をした後に先取特権者が右債権に対し物上代位権を行使することの可否

2、優先権を有する債権者の得た転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押え、仮差押えの執行または配当要求をした場合における転付命令の効力

3、差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者が民事執行法156条2項に基づいてした供託の効力

4、差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者のした供託に基づき転付命令が効力を生じないとの解釈のもとに配当表が作成された場合と効力の生じた転付命令を得た債権者の不服申立方法

【判決要旨】 1、先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押えまたは仮差押えの執行をしたにすぎないときは、その後に先取特権者が右債権に対し物上代位権を行使することを妨げられない。

2、転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押え、仮差押えの執行または配当要求をした場合でも、転付命令を得た債権者が優先権を有するときは、転付命令はその効力を生ずる。

3、差押命令の送達と転付命令の送達を競合して受けた第三債務者が民事執行法156条2項に基づいてした供託は、転付命令が効力を生じているため法律上差押えの競合があるとはいえない場合であっても、第三債務者に転付命令の効力の有無についての的確な判断を期待しえない事情があるときは、同項の類推適用により有効である。

4、差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者のした供託が民事執行法156条2項の類推適用により有効である場合において、右供託金について転付命令が効力を生じないとの解釈のもとに配当表が作成されたときは、効力の生じた転付命令を得た債権者は、配当期日における配当異議の申出さらには配当異議の訴えにより転付命令に係る債権につき優先配当を主張して配当表の変更を求めることができる。

【参照条文】 民法304-1

       民事執行法159-3

       民事執行法156-2

       民事執行法143

       民事執行法90

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集39巻5号1326頁