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猫の里親を捜すボランティア活動をしている控訴人らが,被控訴人が,猫を適切に飼養する等の虚偽の事実を告知し,本件猫を詐取したと主張し,本件猫の引渡し及び不法行為に基づく損害賠償を求めた事案
大阪高等裁判所判決/平成26年(ネ)第367号
平成26年6月27日
損害賠償等請求控訴事件
【判示事項】 猫の里親を捜すボランティア活動をしている控訴人らが,被控訴人が,猫を適切に飼養する等の虚偽の事実を告知し,本件猫を詐取したと主張し,本件猫の引渡し及び不法行為に基づく損害賠償を求めた事案。
原審が,目的物の特定不十分として猫の引渡請求を却下,損害賠償は各10万円認容したのに対し,控訴人らが,控訴をした事案。
控訴審は,本件の目的物の特定の程度は,動産引渡しの強制執行の実現が可能かどうかの観点から判断されるべきであるところ,本件各猫は,贈与から3,4年経過し,風貌,体形などが添付写真と変化している可能性があり,本件引渡請求は,特定不十分として却下し,損害賠償については,動物愛護の活動の尊重,被控訴人の行為の悪質性等から認容額を増額した事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載
主 文
1 原判決を次のとおり変更する。
2 控訴人らの猫の引渡請求に係る訴えをいずれも却下する。
3 被控訴人は,控訴人X1に対し24万1018円,控訴人X2に対し24万9850円,控訴人X3に対し25万0670円,控訴人X4に対し23万円,控訴人X5に対し25万3536円及びこれらに対する平成25年1月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを4分し,その3を控訴人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
6 この判決は,第3項に限り仮に執行することができる。