任意的訴訟担当の許容性―アルゼンチン国債事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第1小法廷判決平成28年6月2日

アルゼンチン国債事件

債券償還等請求事件

【判示事項】 外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき,当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすものとして原告適格を有するとされた事例

【判決要旨】 外国国家Yが発行したいわゆるソブリン債である円建債券に係る償還等請求訴訟について、当該債券の管理会社であるXらは、次の(1)~(4)など判示の事情のもとでは、当該債券の債権者Aらのための任意的訴訟担当の要件を充たし、原告適格を有する。

       (1) XらとYとの間において、Xらが債券の管理会社として、Aらのために当該債券に基づく弁済を受け、または債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を有する旨の条項を含む管理委託契約が締結された。

       (2) 上記(1)の授権に係る条項は、Xら、YおよびAらの間の契約関係を規律する「債券の要項」の内容を構成し、Aらに交付される目論見書等にも記載されていた。

       (3) 当該債券は多数の一般公衆に対して発行される点で社債に類似するところ、上記(1)の授権に係る条項を設けるなどしてXらに訴訟追行権を認める仕組みは、社債に関する商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)の規定に倣ったものである。

       (4) Xらは、いずれも銀行であって銀行法に基づく規制や監督に服するとともに、上記(1)の管理委託契約上、Aらに対して公平誠実義務や善管注意義務を負うものとされている。

【参照条文】 民事訴訟法第1編第3章[当事者]

       商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)309-1

       会社法705-1

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集70巻5号1157頁