東京高等裁判所判決平成26年5月22日
債務不存在確認請求控訴事件
【判示事項】 1 代表取締役が権限を濫用して約束手形に裏書をした場合に会社が当該手形の所持人に対して手形債務を負わないとした第1審判決が控訴審において是認された事例
2 会社の手形債務を被保全債権とする手形所持人の同社に対する債権仮差押命令の申立てについて不法行為責任を認めた第1審判決が控訴審において是認された事例
【判決要旨】 1 代表取締役が権限を濫用して約束手形に裏書をした場合に会社が当該手形の所持人に対して手形債務を負わないとした第1審判決は、代表取締役から裏書譲渡を受けた当該手形の所持人において、代表取締役の当該裏書に係る権限濫用を知り、または、知り得べきであったと認められる原判示ないし本判示の事実関係の下においては、また、代表取締役の当該裏書に係る利益相反行為に対し取締役会の承認がないことについて悪意であったと認められる本判示の事実関係の下においては、これを是認することができる。
2 会社の手形債務を被保全債権とする手形所持人の同社に対する債権仮差押命令の申立てについて不法行為責任を認めた第1審判決は、手形所持人において、当該手形債務に係る請求債権を行使することができない地位にあったにもかかわらず、当該仮差押命令の申立てをしたものであって、その過失の存在を妨げる事情も見当たらない原判示ないし本判示の事実関係の下においては、これを是認することができる。
【参照条文】 手形法11
手形法43
会社法349-1
会社法356
民法93ただし書
民法709
民法715
会社法350
【掲載誌】 金融・商事判例1446号27頁