東京高等裁判所判決平成29年10月31日
各配当異議、各配当異議の訴え等控訴、同附帯控訴事件
【判示事項】 1 固定資産税の支払いが一般の先取特権に当たらないとされた事例
2 詐害行為取消制度により保全された責任財産からの配当手続において、取り消された詐害行為の当事者が、責任財産の固定資産税の支出に関する求償権を主張して配当を受けることが権利の濫用に当たるとされた事例
【判決要旨】 1 民法307条1項の「財産の保存」は、単に債務者の財産の価値を増加させる措置や有益費を生じさせるような措置を含まず、将来の債務者の財産の清算や配当の前段階として、債務者の財産の現状を維持し、債務者の一般財産の減少を防ぐのに直接的に必要な行為を意味し、固定資産税の立替払いは、直接的に債務者の一般財産の保全に資するものではなく、債務者の「財産の保存」には該当しない。
2 詐害行為取消制度により保全された責任財産からの配当手続において、取り消された詐害行為の当事者が当該詐害行為に起因して当然に負担することになる費用である当該責任財産の固定資産税に関してその求償権を主張し、一般債権者として権利を行使することは、権利の濫用として許されない。
【参照条文】 民法1-3
民法307-1
民法424
民事執行法51-1
【掲載誌】 金融・商事判例1531号30頁