最高裁判所第3小法廷決定昭和48年7月10日
所得税法違反被告事件
【判示事項】 1、所得税法234条1項所定の質問検査の範囲、時期、場所等
2、所得税法234条1項にいう「納税義務がある者」、「納税義務があると認められる者」の意義
【判決要旨】 1、所得税法234条1項所定の質問検査の範囲、程度、時期、場所等は、質問検査の客観的必要性があり、かつ、これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にとどまるかぎり、税務職員の合理的な選択に委ねられているものと解すべきである。
2、所得税法234条1項にいう「納税義務がある者」とは、既に法定の課税要件が満たされて客観的に所得税の納税義務が成立し、いまだ適正な税額を納付していない者のほか、当該課税年が開始して課税の基礎となるべき収入の発生があり、これによって将来終局的に納税義務を負担するにいたるべき者をもいい、「納税義務があると認められる者」とは、税務職員の判断によって、右の意味での納税義務がある者に該当すると合理的に推認される者をいう。
【参照条文】 所得税法234-1
所得税法242
【掲載誌】 最高裁判所刑事判例集27巻7号1205頁