建築の著作物、立体格子構造(組亀甲柄)事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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知的財産高等裁判所判決/平成29年(ネ)第10061号

【判決日付】 平成29年10月13日

著作者人格権侵害差止等請求控訴事件

『著作権判例百選』

【判示事項】 建築設計等を目的とする原告が,本件建物の共同著作者又は本件建物を二次的著作物とする原著作物の著作者であるのに,被告工務店が著作者を被告工務店のみと表示して受賞し,被告会社がそのように表示された書籍を発行・販売し,原告の著作者人格権を侵害したとして,被告らに対し著作者人格権(氏名標示権)を有することの確認等,被告工務店に対し受賞に係る慰謝料,被告会社に対し本件書籍の複製等の差止め,廃棄,謝罪広告の掲載等を各求め,原審が請求をいずれも棄却し,原告が控訴した事案。

控訴審は,外装スクリーン部分に関し,本件建物外観と原告代表者の提案とで共通するのは,ほぼ2層3方向の連続的な立体格子構造(組亀甲柄)を採用した点に尽き,それ自体はアイデアにすぎず,原告代表者が本件建物外観について創作的に関与したとは認められないし,同人の提案が本件建物の原著作物に当たるとも認められないとして,控訴を棄却した事例

【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載