商法260条2項1号にいう「重要な財産の処分」に当るか否かの判断基準 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第1小法廷判決平成6年1月20日

『平成6年重要判例解説』商法事件

株主権確認請求事件

【判示事項】 1 商法260条2項1号にいう「重要な財産の処分」に当るか否かの判断基準

2 会社の総資産の約1・6パーセントに相当する価額の株式の譲渡が商法260条2項1号にいう重要な財産の処分に当らないとはいえないとされた事例

【判決要旨】 1 商法260条2項1号にいう「重要な財産の処分」に当るか否かは、当該財産の価額、その会社の総資産に占める割合、保有目的、処分行為の態様及び会社における従来の取扱い等の事情を総合的に考慮して判断すべきである。

2 株式が、帳簿価額では7800万円で会社の総資産の約1・6パーセントに相当し、適正時価を把握し難く、その譲渡が、代価いかんによっては会社の資産及び損益に著しい影響を与え得るものであり、営業のため通常行われる取引に属さないなど判示の事実関係の下においては、右株式の譲渡は、商法260条2項1号にいう「重要な財産の処分」に当らないとはいえない。

【参照条文】 商法260

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集48巻1号1頁