最高裁判所第2小法廷判決平成6年7月18日
『平成6年重要判例解説』民法事件
損害賠償請求事件
【判示事項】 交通事故による損害賠償債務についての一部の弁済の提供及び供託が有効である場合
【判決要旨】 交通事故によって被った損害の賠償を求める訴訟の控訴審係属中に、加害者が被害者に対し、第一審判決によって支払を命じられた損害賠償金の全額を任意に弁済のため提供した場合には、その提供額が損害賠償債務の全額に満たないことが控訴審における審理判断の結果判明したときであっても、原則として、その弁済の提供はその範囲において有効であり、被害者においてその受領を拒絶したことを理由にされた弁済のための供託もまた有効である。
【参照条文】 民法493
民法494
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集48巻5号1165頁