賃借人が公租公課の額を下回ることを知りながら支払う賃料と借地法12条2項にいう相当賃料 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第2小法廷判決平成8年7月12日

『平成8年重要判例解説』民法事件

建物収去土地明渡等請求事件

【判示事項】 1 賃借人が主観的に相当と認めていない額の賃料と借地法12条2項にいう相当賃料

2 賃借人が公租公課の額を下回ることを知りながら支払う賃料と借地法12条2項にいう相当賃料

【判決要旨】 1 賃料増額請求につき当事者間に協議が調わず、賃借人が請求額に満たない額を賃料として支払う場合において、賃借人が従前の賃料額を主観的に相当と認めていないときは、従前の賃料額同額を支払っても、借地法12条2項にいう相当賃料を支払ったことにはならない。

2 賃料増額請求につき当事者間に協議が調わず、賃借人が請求額に満たない額を賃料として支払う場合において、賃借人が自らの支払額が公租公課の額を下回ることを知っていたときは、賃借人が右支払額を主観的に相当と認めていたとしても、特段の事情のない限り、借地法12条2項にいう相当賃料を支払ったことにはならない。

【参照条文】 借地法12-2

【掲載誌】  最高裁判所民事判例集50巻7号1876頁