加藤新太郎 編集代表 金丸和弘 清水建成 奈良輝久 日下部真治 編集
6,380円 (本体:5,800円)
判型 A5判 ページ数 656
商品概要
「企業間取引」における紛争予防・解決への方向性を示唆する1冊
企業間における取引の類型に着目し、民事訴訟においてどのような論点が争われ、どのように認定判断されたかについて、判例法理の到達点を明示して契約締結時の法的リスク最小化のための助言、訴訟戦略の樹立と訴訟追行を支援する。
目次
第Ⅰ編 企業間取引訴訟の現在
討 論 企業間取引の実情と紛争の発生・解決〔加藤新太郎、金丸和弘、清水建成、奈良輝久、日下部真治〕
1 システム開発取引〔清水建成〕
2 共同研究開発〔髙橋利昌〕
3 M&A取引〔金丸和弘、森田恒平〕
第Ⅱ編 契約の解釈
討 論 企業間取引における契約の解釈〔加藤新太郎、金丸和弘、清水建成、奈良輝久、日下部真治〕
1 継続的契約の解消〔清水建成、相澤麻美〕
2 複合契約の解除―主として二当事者間の場合―〔奈良輝久、〈補論〉金丸和弘〕
3 課税要件と企業間契約の解釈〔金丸和弘〕
4 免責条項・責任制限条項の解釈〔日下部真治、山澤奏子〕
5 違約金条項の解釈〔林 紘司〕
第Ⅲ編 紛争の諸相
1 過失相殺規定〔若松 亮〕
第1 過失相殺制度と企業間の紛争/第2 フランチャイズ訴訟における過失相殺/第3 システム開発契約に関する訴訟における過失相殺/第4 その他の企業間(国や地方自治体等を含む)の訴訟における過失相殺/第5 契約締結に際しての調査義務と表明保証条項の関係
2 不公正な取引方法〔若松 亮〕
3 秘密情報の保護〔石田晃士〕
第1 はじめに/第2 営業秘密における「秘密管理性」の要件/第3 不競法2条1項7号の「示された」要件
【感想】
企業間取引訴訟という視点で裁判例を整理した類書がないだけに、価値が高い。
執筆者が裁判官の論稿は、考慮すべき要素についての裁判例の分析は、おおむね素晴らしい。
本書刊行後の不正競争防止法などの改正は盛り込まれていない。
裁判例は必ずしも網羅されているわけではない。
例えば、独占禁止法(不公正な取引方法)違反について、金利スワップ契約締結が優越的な地位濫用に当たるかが問題となった三井住友銀行事件最高裁判決、パテントプールに関して特許権の再実施許諾が終了したか問題になった東京高判平成15・4・24『平成15年重要判例解説』経済法事件などが抜けている。
M&A取引の裁判例に関しては、阿南剛、後藤高志、辻川昌徳『実務分析 M&A判例ハンドブック』商事法務2015年 の方が詳しい。
p425、定期借家の違約金につき、定期借家の属性を考慮せず、期間の定めのある普通の建物賃貸借と同様に取り扱っているが、妥当ではないだろう。