株主代表訴訟において、取締役としての責任が原因行為の一部に止まる場合に、寄与度に応じた責任の限定 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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東京地方裁判所判決平成8年6月20日

『平成8年重要判例解説』商法事件

日本航空電子工業(ココム関税法・外為法違反)株主代表訴訟事件

損害賠償請求(株主代表訴訟)事件

【判示事項】 一 株主代表訴訟において、総額12億4700万円余の損害賠償が認められた事例

二 株主代表訴訟提起前の会社に対する提訴請求における事実の特定の程度

三 株主代表訴訟において、関税法・外為法違反行為につき、取締役の善管注意義務・忠実義務違反が認められた事例

四 株主代表訴訟において、取締役としての責任が原因行為の一部に止まる場合に、寄与度に応じた責任の限定が行われた事例

【判決要旨】 一 株主代表訴訟提起前の会社に対する提訴請求は、事案の内容や会社が認識していた事実等を考慮して、会社において、いかなる事実・事項について責任の追及が求められているのかが判断できる程度に特定されていればよい。

二 関税法・外為法に違反する不正取引・輸出は、会社に重大な不利益・損害を及ぼす蓋然性の高い行為であるから、取締役としてこれを支持・承認することは取締役の善管注意義務・忠実義務に違反する。

三 取締役の責任が原因事実の一部に止まり、関与の度合も限定されたものである場合、寄与度に応じた因果関係の割合的認定を行うことが合理的である。

【参照条文】 商法267

       商法266-1

       商法254-3

       商法254の3

【掲載誌】  金融・商事判例1000号39頁

       判例時報1572号27頁