最高裁判所第2小法廷判決平成4年12月18日
『平成5年重要判例解説』商法事件
保険金請求事件
【判示事項】 保険事故が保険契約者・被保険者の故意によるものとして保険会社の免責が認められた事例
【判決要旨】 被保険車両の所有者(保険契約者・被保険者)が、かねてから情交関係のあった女性と右車両内で寝込んでいたところを右女性の夫に発見され、その場から逃れようとしたが、進路前方に同人が両手を車両のフロントガラスに当て、身体を車体前部に接触させるなどして立ちふさがったため、そのまま右車両を発進すれば車体を同人に衝突させて傷害を負わせる可能性が高いことを認識しながら、それもやむを得ないと考え、その場を逃れたい気持ちからあえて右車両を発進させ、七、八メートル前進した地点で同人を路上に転倒させて、同人に硬膜外血腫、脳挫傷等の傷害を負わせたなど判示の事実関係の下においては、右事故による損害は、保険約款の免責条項に定める保険契約者・被保険者の故意によって生じた損害に当たり、保険会社は、保険金の支払につき免責される。
【参照条文】 商法629
商法641
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事166号953頁
裁判所時報1089号7頁
判例タイムズ808号165頁