住民投票の結果の法的拘束力 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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那覇地方裁判所判決平成12年5月9日

『平成12年重要判例解説』憲法事件

【判示事項】 名護ヘリポート市民投票訴訟 住民投票の結果の法的拘束力

損害賠償請求事件

【参照条文】 憲法25

       憲法19

       国家賠償法1

       民法709

【掲載誌】  判例タイムズ1058号124頁

「 三 そこで、原告らの主張する損害賠償請求の当否について判断する。

   1 まず、本件住民投票の結果の法的拘束力について検討する。

  前記認定のとおり、本件条例は、住民投票の結果の扱いに関して、その三条二項において、「市長は、ヘリポート基地の建設予定地内外の私有地の売却、使用、賃貸その他ヘリポート基地の建設に関係する事務の執行に当たり、地方自治の本旨に基づき市民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重するものとする。」と規定するに止まり(以下、右規定を「尊重義務規定」という。)、市長が、ヘリポート基地の建設に関係する事務の執行に当たり、右有効投票の賛否いずれか過半数の意思に反する判断をした場合の措置等については何ら規定していない。そして、仮に、住民投票の結果に法的拘束力を肯定すると、間接民主制によって市政を執行しようとする現行法の制度原理と整合しない結果を招来することにもなりかねないのであるから、右の尊重義務規定に依拠して、市長に市民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思に従うべき法的義務があるとまで解することはできず、右規定は、市長に対し、ヘリポート基地の建設に関係する事務の執行に当たり、本件住民投票の結果を参考とするよう要請しているにすぎないというべきである。」