破産した株式会社が経営していた英会話教室の元受講生が同社の当時の代表取締役、取締役に対して未受講の受講料相当額の損害賠償を求める請求が代表取締役ないし取締役に対する請求について認容された事例
大阪高等裁判所判決平成26年2月27日
ノヴァ損害賠償請求控訴事件
『平成27年度重要判例解説』商法8事件
【判示事項】 破産した株式会社が経営していた英会話教室の元受講生が同社の当時の代表取締役、取締役、監査役ないし会計監査人に対して未受講の受講料相当額の損害賠償を求める請求を棄却した第1審判決が控訴審において代表取締役ないし取締役(うち1名を除く)に対する請求について取り消され、同請求が認容された事例
【判決要旨】 破産した株式会社が経営していた英会話教室の元受講生が同社の当時の代表取締役、取締役、監査役ないし会計監査人に対して未受講の受講料相当額の損害賠償を求める請求を棄却した第1審判決は、代表取締役ないし取締役(うち1名を除く)に対する任務懈怠を理由とする請求については、同代表取締役に特定商取引に関する法律に違反する解約金清算方法を最高裁判決によってこれが無効とされるまで是正しなかったなど遵法経営義務違反が認められ、また、これを前提に、同取締役に同代表取締役の業務執行に対する監視義務違反が認められる判示の事実関係の下においては、代表取締役ないし取締役に任務懈怠があったといわざるを得ない以上、これが取り消され、同請求が認容されるべきものである。
【参照条文】 会社法429
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266の3
【掲載誌】 金融・商事判例1441号19頁