東京地判平成24年10月9日 税務訴訟資料262号順号12060 LLI/DB 判例秘書登載
法人税更正処分取消等請求事件
【判示事項】 内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分が,適法とされた事例
【判決要旨】 内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分につき,同号の規定によれば,内国法人がその役員に対して支給する給与が事前確定届出給与に該当し,その額が当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されるためには,その役員給与がその役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の事前の定めに基づいて支給する給与であることと,政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその事前の定めの内容に関する届出がされていることとを要するところ,その規定の文言の合理的解釈として,役員給与がこれらの要件を満たすためには,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされることを要するというべきところ,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされたか否かは,特別の事情がない限り,個々の支給ごとに判定すべきものではなく,当該職務執行期間の全期間を一個の単位として判定すべきものであって,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における全ての支給が事前の定めのとおりにされたときに限り,当該役員給与の支給は事前の定めのとおりにされたこととなり,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における支給中に1回でも事前の定めのとおりにされたものではないものがあるときには,当該役員給与の支給は全体として事前の定めのとおりにされなかったこととなると解するのが相当であるとした上,前記役員給与のうち夏季賞与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされなかったのであり,前記特別の事情も認められないから,前記冬季賞与を含む前記役員給与は同号の事前確定届出給与に該当しないとして,前記更正処分を適法とした事例
東京高判平成25年3月14日 裁判所HP、税務訴訟資料263号順号12165 LLI/DB 判例秘書登載、『平成25年度重要判例解説』租税法3事件
【判示事項】 控訴人は,本件事業年度中に代表者ら役員に支給した冬期賞与が法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当するとして,これを損金額に算入してした法人税の確定申告をし,税務署長が,法人税の更正及び加算税の賦課決定,その一部取消訴訟。
原審が請求棄却,控訴した事案。
控訴審は,企業活動の結果,事前に確定した額の給与を支給することを相当としない事態も生じうるところ,法人税法施行令69条3項は,業績悪化改定事由等に該当する場合,変更届(変更届提出期限を遵守できなかったことについてやむを得ない事情がある場合を含む)により損金算入を認めているが,控訴人の変更届期限不遵守はやむを得ない事情には当たらないとし,控訴を棄却した事例