大阪高等裁判所判決平成19年5月17日
地位確認等請求控訴
『平成19年重要判例解説』労働法6事件
関西金属工業事件
【判示事項】 (1) 控訴人Y社を解雇された被控訴人労働者X1ら10名の地位確認(定年到達者1名を除く),賃金請求等を認容した一審判決が正当とされた例
(2) 変更解約告知とは,新たな労働条件での新雇用契約の締結(再雇用)の申込みを伴った従来の雇用契約の解約(解雇)であり,それを受け入れるか否かのイニシアチブは,労働者の側にあることから,解雇とは異なった扱いがなされるものと解されるとされた例
(3) 本件変更解約告知は,その実態は,これに応じない者のうち6名に対しては,解雇を予定しているものであるから,本件の変更解約告知を整理解雇と別個独立のものであるとするY社の主張は採用できないとされた例
(4) 本件のように,変更解約告知が人員の削減を目的として行われ,一定の人員については再雇用しないことが予定されている場合には,整理解雇と同様に,再雇用されないことが予定された人員に見合った人員整理の必要性が求められ,変更解約告知に応じない者が多数生じたからといって,人員整理の必要性により本来許容されるべき限度を超えて解雇が行われることは許されないとされた例
(5) 本件解雇では10名が解雇されているのであって,本件解雇については,整理解雇と同様の要件を必要とするものと解される以上,10名を全員解雇する必要性があったことについての主張立証が必要であり,たとえ6名の人員削減の必要性が認められたとしても,本件解雇は,同一の理由に基づいて同一の機会に行われており,特定の6名を選定する作業が実際に行われていない以上,結局のところ,本件解雇のすべてについてその必要性が主張立証されなかったことに帰するとして,本件変更解約告知において削減された人員に見合った人員整理の必要性は認められないとされた例
【掲載誌】 労働判例943号5頁