借地人が自らは土地使用を継続しない旨を表示している場合につき、双方の事情を考慮して正当の事由を否 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最高裁判所第3小法廷判決平成6年6月7日

建物収去土地明渡請求事件

【判示事項】 借地契約の更新拒絶に正当の事由がないとされた事例

【判決要旨】 土地(注、東京都港区麻布十番)の賃借人から当該土地上の建物を賃借していた土地の賃貸人が、借地権の存在を前提として右土地を所有者から底地価格で買い受けたが、現に右建物及び土地を使用し、借地契約を終了させなくとも右の使用自体に支障がないのに対し、土地賃借人から借地権を相続した者が、多額の相続税の支払に充てるために借地権譲渡の許可を求める借地非訟事件の申立てをしたなど判示の事実関係の下においては、土地賃貸人のした借地契約の更新拒絶には正当の事由があるとはいえない。

【参照条文】 借地法4-1

       借地法9の2

【掲載誌】  最高裁判所裁判集民事172号633頁

       判例タイムズ857号96頁

       金融・商事判例953号3頁

       判例時報1503号72頁

       金融法務事情1404号26頁