品川芳宣『重要租税判決の実務研究』 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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品川芳宣『重要租税判決の実務研究』
大蔵財務研究会、平成26年
上記書籍のうち、国税通則法、所得税法の一部分を読み終えました。
Ⅰ 国税通則法
1 租税法における信義則
Ⅱ 所得税法
19 不動産の譲渡損失の損益通算禁止規定の遡及適用の合憲性
ⅰ)不動産の譲渡損失を他の所得との通算を禁止する規定は、違憲審査基準である「合理性の原則」により、国会の立法政策の問題として、合憲である、
ⅱ)私見としては、租税法規が遡って適用されるとした点については、その遡って適用される期間が僅か約3か月間の問題としても、租税法律主義(課税要件明確主義の1つの内容としての事後立法禁止)に違反し、違憲であるとすべきであったと思われる。
37 弁護士会役員の弁護士の必要経費の範囲
41 投資有限責任事業組合から組合員が得る損益の算定方法  
売上から経費を控除した純額方式によるべきである。
(参考最高裁判例)
 森林組合から得る組合員の給与は利益分配・配当所得ではなく、給与所得である。
なお、農業協同組合については、同旨の規定が条文で規定されている。
(農業協同組合法については、上柳克郎『協同組合法』有斐閣・法律学全集を参照。)
この点は、税法学者が指摘していない。
46 アメリカ法のLLCの法的成果と法人税・所得税の課税(または日米租税条約の適用)
Ⅲ 法人税法
54 興銀事件最高裁判決
55 従業員給与・役員報酬の架空性(課税庁が否認した事例)
68 留学中の名目的な役員の役員報酬の損金性否認(損金性を否定)と役員分掌変更に伴う退職慰労金の該当性(損金性を肯定)
Ⅳ 相続税
110 株式保有特定会社の株式の財産評価基本通達の評価方法
 なお、その後の税制改正により、非上場株式の評価方式が変わっている。