- ビジネス法務 2012年 12月号 [雑誌]/中央経済社
- ¥1,500
- Amazon.co.jp
ビジネス法務
「債権法改正の銀行実務に与える影響の実証的研究」
事業者間の約款について、「取引慣行や柔軟な評価の余地を残しておく」という本論考の私的は、いささか理解しがたい。現行法では、銀行約款について、消費者については、消費者契約法で救済される余地がある。ところが、中小零細な事業者について、救済する手段がないので、不当条項規制という民法改正案が提唱されてきたという経緯があるからである。ことに、現行民法では一般条項で解釈の裁量の幅が大きすぎるので、具体的な解釈の指針を示す(逆に言えば、裁判官の解釈に対する新たなルールを設ける)というのが改正の趣旨である。したがって、「取引慣行」だけでは、解釈の指針にはならないということを理解していないようなのである。また、「柔軟な評価の余地」がある約款は、そもそも約款として、役に立たないであろう。