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ビジネス法務
飯田秀総「組織再編等の差止請求規定に対する不満と期待」
会社法改正案で、組織再編等の差止請求権 が創設されるにあたり、
1、 組織再編の対価の不当性
2、 取締役の義務違反
は対象とされない点について、論じている。
対価の不当性について、取締役は競合する買収提案を株主に最大限考慮すべきとするレブロン義務が果たされていないケースを念頭に、
ア このようなケースでは差止請求権 を肯定する余地を設けるべきである。
イ 裁判所において、差止請求権 が認められなかったとしても、傍論で取締役の義務違反が認められる場合もある。
ウ 会社に備置書面(会社法782条1項、施行規則182条1項1号)として、対価の相当性に関する書類(算定に当たって参考とした資料など)を含めるべきである。
を提唱する。
上記アとウについて、立法論として、傾聴に値する。
上記イについて、日本の裁判所の民事保全実務では、傍論で余計な事は書かないという実務慣行からすると、そのようなことは、余り期待できない。
なお、対価が著しく不当な場合に略式組織再編については差止請求権 (会社法784条2項2号、796条2項2号)が認められていることと整合性があるかという問題点も指摘している。
・会社法
「ビジネス法務」2013年4月号
「株主を味方につける敵対的企業買収の最新動向」という特集が組まれている。