・ 金融機関Yをいわゆるアレンジャーとするシンジケートローンへの参加の招へいに応じた金融機関Xらに対しYが信義則上の情報提供義務を負うとされた事例
最3小判平成24・11・27NBL991号8頁、判例タイムズ1384号145頁
① 金融機関Xらが,Aの委託を受けた金融機関Yから,Yをいわゆるアレンジャーとするシンジケートローンへの参加の招へいを受けてこれに応じ,Xら及びYのAに対するシンジケートローンが組成・実行された場合において,
② 上記招へいに際してYからXらに交付された資料の中に,資料に含まれる情報の正確性・真実性についてYは一切の責任を負わず,招へい先金融機関で独自にAの信用力等の審査を行う必要がある旨記載されていたものがあるとしても,
③ Aの代表者が,Yの担当者に対し,シンジケートローンの組成・実行手続の継続に係る判断を委ねる趣旨で,AのいわゆるメインバンクがAに対し外部専門業者による最新の決算書の精査を強く指示した上その旨を上記メインバンクがいわゆるエージェントとなっていたシンジケートローンの参加金融機関にも周知させたという情報を告げた
など判示の事実関係の下では,Yは,Xらに対し,信義則上,シンジケートローン組成・実行前に上記情報を提供する義務を負い、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
なお、銀行間では平成15年に日本ローン債権市場協会(JSLA)に情報を提供すべき業界内の取り決めがあり、平成19年に実務指針を定めていた。
(1)アレンジャーが知っていながら伝えなかった
(2)債務者から情報を入手しなければ参加金融機関が入手困難
(3)参加金融機関がシンジケートローンを組んだことについて重要な情報であること
の場合には、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。