第2 法定相続分
1 相続財産
相続財産とは、被相続人の相続開始時の財産のことをいいます。
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継(民法896条本文)しますから、積極財産だけではなく、消極財産(債務)もこれに含まれます。
2 相続分
相続分とは、数人の相続人がいる場合に、各相続人が承継する割合をいいます。
相続分は、被相続人が遺言をもって自ら定めることもできます(民法902条本文)が、この指定がない場合には、民法で定められた割合に従います。これを法定相続分といいます。
なお、相続人間の公平を図るため、後述する、特別受益制度、寄与分制度があり、この結果、法定相続分や指定相続分は必ずしも遺産分割の割合とは一致しないことがあります。特別受益や寄与分の調整を施して算出される遺産分割の割合を具体的相続分と呼びます。
法定相続分の基準は以下の通りです。
(ⅰ)配偶者と子が相続人である場合 ・・・配偶者1/2 子1/2
(ⅱ)配偶者と直系尊属が相続人である場合 ・・・配偶者2/3 直系尊属1/3
(ⅲ)配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合 ・・・配偶者3/4 兄弟姉妹1/4
|
なお、子が数人いる場合、全員でその1/2を分けることになりますが、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の半分になります(民法900条4号但書)。
【相続分の指定の遺言文例】
遺言者は次のとおり相続分を指定する。 妻 乙(生年月日) 五分の二 長男 丙(生年月日) 五分の二 次男 丁(生年月日) 五分の一 |