病院の面会時間は午後3時からです。
3時近くなると、面会受付のところに長蛇の列ができます。
最初この列を見たときはびっくりして、相当待たされると覚悟しましたが、時間になると職員さんが3人出てきて、手際よく列をさばくので、後ろの方に並んでいても5分もかかりません。
3時10分頃には、病室へ入れます。
帰る時間はその日によりますが、大抵5時から6時位です。

今回の入院の主治医の先生が、私がいる時間を見計らって説明に来て下さいました。
この病院は、数人の先生がチームを組んで患者を診ているようで、夫の枕元には、この主治医のAo先生を始め、4人の先生の名前の札が下がっています。

Ao先生の説明は、肺炎は治っているという先週のMs先生とほぼ同じ内容でした。
加えて、無呼吸がある、最大で50秒呼吸が止まる、これをどうするかということと、動きが悪いので、同じ病院の神経内科の先生と連携をとって、今後の治療を進めていくとのことでした。

睡眠時無呼吸は以前からあり、認知症の主治医に相談したことがありましたが、治療はできないからと言われ、そのままになっていました。
今では、眠っていない時も、無呼吸になるときがあり、そうするとSPO2が一気に5~6下がっています。
ただ、すぐ回復するので、あまり心配しないようにしていました。

動きが悪いというのは、認知症が終末期に入ってしまったせいかもしれません。
もう私の顔を認識していないし、声かけしても反応がありません。
肺炎を治すのと引き替えに、ベッドに寝たきりで、もう3週間が過ぎています。
認知機能に決定的なダメージを与えるには、充分な期間です。

先生に、ニコリン(シチコリン)の使用をお願いしてみました。
意識障害に効くとのことなのでと言ったのですが、知識の付け焼き刃の悲しさで、我ながら説得力に欠けるお願いでした。
グルタチオンについても名前を出しただけでした。
頭の中では、今の夫には、この二つしかないと思っているのですが、それをいざ口に出してみるとあきれるばかりに情けない言い方で、これでは誰もわかってくれないだろうなと思いました。

先生は、強い薬は副作用もあるし、慎重に使っていかなければならないとおっしゃいました。
でも、おそらく神経内科の先生に相談して下さると思います。


このところ夫は、たまに口を閉じて普通の呼吸をしている時があります。
ちょっと体の向きを変えたり、何かするとまたすぐ口を開けて、いびきのような呼吸音に戻ってしまうのですが..。
痰が絡んで苦しそうな状態はもうあまりありません。
でも、看護師さんの話では日中4回位、夜間に2回位の吸引をしているそうです。

嚥下のリハビリは一応毎日して下さっているようです。
ゼリーを食べさせてもらっているそうですが、むせてしまって続けられなくなって中断することが多いようです。
歩行の方のリハビリは、意識が落ちているときは危ないということで、毎日はできてないようです。
でも先日、1メートル位を自力で歩いたと教えてもらいました。
もちろんリハビリの先生が危なくないように体に手を添えていたそうですが。
いずれも面会時間より前におこなっているようで、私は見ることができません。
もどかしいけど、お任せするしかありません。

排便の方は、毎日はでていないものの、便秘ではないそうです。
ただ、便は泥状の形態に近いそうです。
薬を使っているんですかと質問したら、調べてくれて、薬は使っていないとのことでした。
運動量も極端に少ないのに、よく自力で出していてくれると嬉しくなります。


水曜日にお泊まりデイのMgさんが来てくれました。
Inさんが火曜休みで、Mgさんは水曜休みです。
二人同時にいないことがないようにこういうシフトになっているようです。
Mgさんもまた、自分の休みを潰して見舞いに来て下さいました。
Mgさんが病室に来たら、一気に雰囲気が明るくなりました。
二人で入浴介助していた時のノリで、半ば夫をオモチャにするような冗談交じりの掛け合いが続きました。
なんと、それまで、私が呼びかけても話しかけても反応のなかった夫が、笑いました。
笑いというのはほど遠く、ちょっと口元をゆがめたという感じですが、でも確かにこれは笑っているんだなと思いました。

Mgさんは、耳かきも持参してくれました。
先週、爪切りを買ったときに、耳かきも一緒に買ってはあったのですが、やっぱり怖くて使っていませんでした。
Mgさんが持参してくれた耳かきは、プラスチックで出来ていて明かりがつくタイプです。
初めて見ました。
それで夫の耳を掃除してくれました。
耳垢がいっぱいとれました。

Mgさんに、大丈夫よと元気づけてもらうと、ほんとに大丈夫な気がしてきます。
まだまだ先の見通しは立ちませんが、とりあえずの危機は脱したようだし、焦らずにやっていこうと思っています。




          
          にほんブログ村
          読んで下さっているとわかるのが、心の支えになっています。
          クリックして足跡を残していって下さいませ。