朝、電話が鳴りました。
夫が泊まりに行って、不在の時の電話は、心臓に悪いです。
しかもお泊まりデイの看護師さんからでした。

一瞬のうちに、てんかん発作を起こしたんじゃないかという思いが脳裏をよぎりました。
看護師さんが、実はご主人がお熱を出しましてと言うまで、長い時間が流れたような気がしました。
昨夜、鼻水が出ていて、今朝になって、熱が37度9分あるし喉がゴロゴロしているので、お医者さんに連れて行った方がいいと思うとのことでした。

取るものも取りあえず、保険証を持って、デイに駆けつけました。
着いてみると、夫は、両脇を冷やしてもらい、頭には冷たいタオルが載って、ベッドに寝かされて眠っていました。
触ってみた感じ、それほど熱っぽくはありませんでしたが、口を開けて息をしていました。

いつも家へ来てくれているMgさん(スーパーヘルパーさん)が、付き添っていてくれました。

Mgさんと、夫を起こして車いすに座らせ、すぐ近く(車で2,3分)のクリニックへ連れて行きました。
ここへは、去年の3月、やはり熱を出した時にお世話になっています。
受付を済ませた後、それほど待たずに呼ばれました。

一通りの問診があり、サチュレーションが94しかなくて、ちょっと心配なのですと言ったら、測ってくれました。91しかなくて、尚更心配になりました。
でも先生は、さほど重大には思ってないようでした。
念のためレントゲンを撮りましょうとのことで、撮ってもらいました。
立ったまま撮ることができないので、台の上に寝かせて撮りました。
結果、現時点では肺炎にはなっていませんとのことで、一安心しました。


実は、今年の5月あたりから、嚥下が少し気になってきたのです。
水分を飲み込めない時がでてきて、飲み込んでも、咽せることもでてきていました。
朝、起き抜けに飲ませる水分には、とろみ剤をいれることも始めていました。

黒胡椒のアロマパッチというのを使っています。
これは、本来の、嚥下機能の改善目的ではなく、覚醒作用があるというので、去年の3月から使っていました。
使い始めた当初、なんとなくそれまでより発語が多くなったかなという気がして、ずっと使ってきましたが、内心、嚥下が悪くなることの予防になるかもと当て込んでいました。
でも、夫の場合は効かなかったようです。
或いは、効いていたから、これまで嚥下に問題がなかったのかも。
よくわかりません。
覚醒作用は、今ではほとんど期待できないし、しばらく中止してみようかなと思っています。


クリニックでは、抗生物質と、解熱剤と、去痰剤を処方されました。
抗生物質は、ボトルに入った顆粒で、そこに水を入れて溶かし、一気に飲むのだそうです。
薬局の人の話では、ものすごく苦いそうです。
これ、夫に飲ませられるのかなと心配しました。

薬をもらって、デイに戻りました。
Mgさんが、ボトルから、水で溶かした薬を湯飲み茶碗に移し、とろみ剤と少量のお砂糖をいれて、かき混ぜました。
一見、ヨーグルト状になったものを、スプーンで掬い、手際よく夫に食べさせてくれました。
夫は、嫌がりもせず、ちゃんと口を開けて食べていました。
さすがだなー私じゃとてもこうはいかないと思いました。

その後、口直しにと言って、桃のゼリーの固形物のないところを、3口ほど食べさせてくれました。
現金なことに、夫は、さっきと違って、大きな口を開けて食べていました。

もうお昼時になっていましたが、この抗生物質を飲んだ後は、しぱらく食事ができないので、ベッドに寝かせて、起きたら食事にすることにしました。
ベッドに寝かせたら、夫はすぐさま、眠ってしまいました。
苦しそうでもないし、すやすや眠っているので、私は後はお願いして帰ることにしました。


今回は、たまたまデイに行っていたとき、発熱したので、全面的に助けてもらえました。
早めにお医者さんに連れて行くことができ、大事に至らずにすみました。

うちでだったらどうなっただろうと思います。
夫は、てんかん発作以外は、内科的な疾患はなく、お医者さんにかかることなく毎日を過ごしていました。
前々から、救急車を呼ぶほどの状態ではないけど、具合が悪くなった場合、どうしようと悩んでおりました。
一応、往診に来て下さるという先生は紹介して頂いてるのですが、一度も診察してもらってないし、会ったこともありません。
一回お伺いをと言ったら、先生もお忙しいし、その時でいいですよと言われ、そのままになっています。

今まで夫の内科的な健康さ(?)にあぐらをかいておりましたが、そろそろ誤嚥の心配をしなければならない時期に来ているようです。



翌日、またデイに行きました。
薬のおかげでしょうか、熱はすっかり下がったとのことで、お風呂に入れてもらっていました。
さっぱりとした顔つきで、顔色も悪くないので安心しました。
Mgさんは非番でいませんでした。
女性の職員さんが3人と、夫の他に利用者さんが6人いました。

夫はお風呂から上がった後、疲れたのか眠そうにしていましたので、ベッドに寝かせてもらいました。
みんながいる部屋の一隅にあるベッドで、ざわざわしていたけど、関係なしにすぐ眠ってしまいました。

2年9ヶ月前の不幸な入院の後、一時的に歩けなくなっていた夫をしばらく預かってもらった時、ここへ毎日通っていました。
その当時の利用者さんは、もう誰もいません。
亡くなったり、特養に入ったりして、離れていったようです。

夫が眠ってしまったので、私は、その時と同じように、利用者さん達の相手をして過ごしました。
大抵はまだ話せるし、自分でトイレに行ける人達でした。
一人、「わかんねー、わかんねー」と連呼する人がいて、あぁ、これではご家族は大変だなぁと思いました。
なにかが不安なんだろうなと思って、ニコニコしながら、大丈夫ですよ~と言ったら、一時的に「わかんねー」が止まりました。
辻褄の合わない話を延々と続ける人がいました。
すぐ怒ってしまう人もいました。

ご家族は大変なのが、手に取るようにわかりました。
それと、夫も含め、もしも病気でなかったら、みんなごく当たり前の充実した第二の人生を歩んでいるのになと胸が痛くなりました。

おやつの時間に夫を起こしました。
甘いものを食べて、砂糖をどっさり入れたコーヒーを飲んで、そのままなので、ちょっと気になりました。
コーヒーに入れる砂糖はほんの少しにしてくれるように頼みました。
エアコンが効きすぎていて、肌寒く感じたので、カーディガンを羽織らせてくれるように頼みました。
たまにこうしてデイを訪問して、様子を見るのも必要だなと感じました。
少し歩かせようとして、立ち上がらせましたが、足に力が入らなくて、ほとんど歩けませんでした。
夕方になったので、後をお願いして帰りました。


今日、電話で様子を聞いたところ、熱はすっかり下がっているそうです。
歩行の方も、多少回復したらしく、今日は少し歩かせてもらったようです。








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