認知症の進行..。
わかっているし、止められないこともわかっています。

この先夫がどうなってしまうのか。
それもわかっているつもりです。

でも..。
実際のところ、私は何もわかってない。
現実に向き合っていないのです。
覚悟が足りないのですよね。


このところ、夫の体の傾きがひどくなってきました。
お泊まりデイから帰った時が一番ひどいです。
右側に傾いて、ちょっと気を抜くと後ろに倒れそうになります。

食事をした後、しばらくそのまま座らせておくのですが、右に傾いて座位を保てなくなりました。
家の食堂は、椅子ではなく、ベンチです。
脇息みたいなものが必要になってきました。
とりあえず、クッションを丸めて肘の下に入れて凌いでいます。

歩くとき、今までも小幅なすり足歩行でしたが、さらに小刻みになって、両手で引いていても危なっかしくなってきました。


立位を保つのが難しいので、私一人で、シャワー浴をさせるときは、ほんとに冷や冷やものです。

夜は、テープ式の紙おむつを使っているのですが、それを装着させるときは、大格闘です。
シャワーの時もそうですが、両手を使わないとうまくできません。
手伝うつもりなのか、夫の両手は、おむつのあたりを往復して邪魔をします。
その手を払いのけながら、きちんと装着しようと、引っ張ったり形を直していると、後ろに倒れかかります。
夫は、どうも最近体重が増えたようで、65㎏あるみたいです。
咄嗟に支える夫の重いこと..。
腕が抜けそうです。

おむつを着ける前に、便座に座らせて、ズボン、パンツを脱がせ、パジャマに着替えさせるのですが、また立ち上がりが困難になりました。
二階のトイレは、後方が空いているので、私が後ろに反り返るように体重をかければ、なんとか立ち上がらせることができます。
でも、パジャマに着替えさせるのは一階のトイレでするので、こちらは、後方に空きがありません。
いくら引っ張っても、私の腕の力だけでは夫を立ち上がらせることができません。
はぁ..もうダメかなと思う頃、立ち上がる気配を見せてくれます。
その機を逃さず、頑張って!と声かけしながら、立ち上がってもらいます。


こうした状態は、これまでも何回も経験してきました。
その度に治ってくれて、普通に歩けるようになってくれていました。
今回はどうなのでしょう..。
また一過性のものであってほしいです。

治ってくれたとしても、前の状態までは回復せず、少しずつ下降線を辿っていくのだと思います。
悲しいけど、それが現実..。
早く私はその現実に向き合わなければならないですね。

認知症の診断を受けたのが、7年前の10月。
今、8年目に入りました。
発症がおそらくその1~2年前だろうとのことですから、9年~10年目になるということでしょうか。
主治医に言わせれば、寝たきりになっていてもおかしくない時期ではあります。

私は往生際が悪いので、夫が寝たきりになるとは思っていませんでした。
思いたくないだけでしたけど..。
でもこのところ、時折、体、手足をどう動かしていいのかわからないような様子を見せる夫を見ると、ああ.運動神経にも障害がでてきてしまったのかな...と思います。


一方、思いがけずというか、あきらめていたことが、復活しました。
最近、わずかですが、言葉を発するようになりました。
一番驚いたのは、入浴介助で来てくれているMさんの名前を呼んだことです。

頭をシャンプーして顔を洗って、タオルで拭いて。
パッと目が合った瞬間、「○○○○さん」とはっきり言ったそうです。
私はその時、二階にいましたが、Mさんが大声で呼ぶので、何事かと思って慌てて降りていきました。
そうしたら、その嬉しい出来事を教えてくれました。

大抵の場合は、もにょもにょという感じで、聞き取れないのですが、時折、クリアに、しかも適切な言葉を言うときがあります。
デイからの連絡帳にも、最近は、そういう記載が多くなりました。

私からの話しかけも、あ、理解してくれているなと思うことが増えてきました。
まぁ、無表情で、何も理解してないときの方が多いのですが..。



お泊まりデイに出掛ける前、夫は、なにか言いたげに私を見ていました。
これから、俺は行かなきゃいけないのか?と聞いているのだと思いました。
不服も言わず、おとなしく誘導されるままに、出掛けてくれる夫..。

私は夫に申し訳なくて、心の中で、ごめんなさいと何度も謝りました。
自分の家があるのに、何故よそに行かなければならないのか..。

自分の意思で動くことがままならない夫を介護するのは、とても力がいります。
朝起こす時から、夜寝るまで、全ての動作に介助がいります。
私の体のいろんなところが、悲鳴を上げています。
腰もちょっと怪しいし、今、一番痛むのは右手首です。
階段の上り下りで、倒れないようにしながら引っ張ると、あり得ない角度に手首を曲げないといけないのです。
やっぱり、お泊まりデイで、肩代わりして頂かないと、続かないなと思っています。


送り出した後、ああ、これで一息つけるという安堵感と、夫への申し訳なさと、虚脱感と..
いろんな思いが渦巻いて、私の心は引き裂かれそうです。


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